木材腐朽菌の嘆息循環が作り上げた「巨木」。
大地力が無い栽培
  窒素循環で作ったイチゴ。

人間が作った「清潔」な施設であるが、木材腐朽菌が生息していないから、 
・・・大地力が無いから・・・簡単に病害菌が侵入し繁殖する。
 病害菌は窒素大好き。
病害菌が優占菌になりハウス内を支配する。

こういう栽培が、本当に正しいのか??・・
こういう地力で作るイチゴでは、絶対「完全無農薬」栽培は不可能である。

この姿が、現在のイチゴ栽培の「限界」「壁」である。
50から70回の農薬栽培で出来たイチゴ栽培光景である。
次の時代・・・グローバルGAP時代には適応できない栽培である。
農業の栽培理論では「地力」という言葉が用いられる。
宇井 清太の「自然生態系無農薬農法」及び「木材腐朽菌による炭素循環栽培法」では、
「地力」ではなく「大地力」という言葉を用いる。
その違いとは何か。
右の写真を見れば、その違いは歴然として理解できる。
上の写真の巨木を育んだのが「大地力」である。
下の高設栽培のイチゴの培養土にあるものが「地力」である。

何処が違うのか・・・。
巨木の土壌は・・・人間が・・・何もしなくとも・・・来年の春には若芽を出して・・・秋には落葉して・・・
これを何百年の間循環してきた。再生と循環が・・・行われる。
これ力、エネルギーが、巨木の大地には存在する。

下の高設栽培のイチゴの培養土では、僅かに1から2年ほどの力しかない。
これが、人間が作れる「地力」である。
この培養土には「再生と循環」はない。
だから・・・Ⅰ,2年で培養土を交換しなくてはならない。
水耕栽培の水、養液には・・・更に「力」「エネルギー」はない。
巨木を育てることは・・到底できない!
人間が作る小手先のものが「地力」である。

 大地力とは
   好気性木材腐朽菌と植物が作り上げた・・・「炭素循環」が作る力である。
 地力とは
   人間が嫌気性菌を使って醗酵腐敗で作り上げた・・・「窒素循環」が作る力である。



大地の力には・・・何があるのか。

  〇 木材腐朽菌が生息していること。白色木材腐朽菌が地球に誕生したのが2億8500万年前。
     この期間、木材腐朽菌は地球地表の絶対王者菌として植物の自生するエリアを支配してきた。
     この支配の下で植物は生存し続けてきた。
     「大地の力」の構成要素の中で、最も大きなものは、この木材腐朽菌の「地表支配力」である。
     この支配力で植物を育んできた。
    
  〇 植物が生息すれば必ず枯れ葉、植物死骸の「リグニン」「セルロース」が地表に堆積する。
   このリグニン、セルロース(枯れ葉、植物死骸)1kgには約4000キロカロリーのエネルギーが潜んでいる。
     高分子の炭水化物を木材腐朽菌が分解して低分子の炭水化合物「ブドウ糖」を産生する。
     このブドウ糖のエネルギーが、光合成を補完するエネルギーである。
     木材腐朽菌がエネルギーを作り、根に供給する「エネルギー生産力」及び「エネルギー供給力」が
     「大地の力」である。
     右写真のような巨木は、光合成のみの澱粉で作られたものではない。幾多の悪環境、日照不足を   
     乗り越えてきたのは、補完エネルギーの調達があったからである。
     力が漲る体は、耐暑性、耐寒性、耐病性(体内免疫システムの強化)、耐紫外線(強固なクチクラ層形成)
     などを具備した植物になる。

  〇 木材腐朽菌が生息することによって病害菌の生息、繁殖が出来ない。
     この抗菌力という力が「大地力」を構成している力の一つである。


  〇 木材腐朽菌の「分解力」。
     多年草植物は、芽生えた場所で・・・移動することもなく・・・何年も、右の巨木では
     1000年も同じ場所で生き続けている。当然「老廃物」が土壌に蓄積する。
     この老廃物を分解してくれる菌が「木材腐朽菌」である。
     「大地の力」の要素の一つに老廃物を、植物に害を及ぼすものを分解して、
     「清浄」にする木材腐朽菌の分解力がある。
  
   〇 乾燥、多湿条件を木材腐朽菌サポートする「サポート力」がある。
      土壌が乾燥すれば木材腐朽菌の菌糸が強力な吸水力で遠くのエリアから水を吸収して
      植物の根に供給する。
      多湿の時は、菌糸が酸素を吸収して植物の根に酸素を供給する。
      この木材腐朽菌の「サポート力」が無ければ、多年草植物が生き続けることが出来ない。

   〇 植物必須元素及びケイ酸の「再生循環力」。
      植物の死骸、特に多年草植物の死骸には、朝鮮人参に見られるように、
      大地の成分を吸収して蓄積したものが含まれている。
      木材腐朽菌がこの死骸を分解したところには、死んだ植物が蓄積した成分が残される。
      大地の力とは「再生力と循環力」でもある。

   〇 エンドファイトによる「免疫力」。
      地球の大地は「不毛の地」であった。
      ここにパイロット植物が芽生え、少しづつ枯れ葉を地表に落とし、死骸を横たえ、
      木材腐朽菌が生息してり枯れ葉のリグニン、セルロースを分解して、
      多様な微生物が生息できるようになると、別な植物に遷移して森、林を形成する。
      この多様な微生物の中には病害菌もいることから、植物に害を与えない微生物を利用して、
      植物「体内免疫システム」を強化する方法を・・・植物は編み出した。
      クチクラ層だけでは病害菌を防ぐことが出来ない。
      なぜなら・・・植物の葉というのは「穴」に満ちている。
      気孔、溢水する穴。穴が無ければ生きられない構造になっている。
      植物は穴から病害菌が侵入することを想定していなかった!
      この穴が・・・病害菌防止システムの「穴」になった。無防備な「穴」。植物の泣き所である。
      これは人間も同じである。人間も穴なしでは生きられない!子孫を残すこともできない!


  大地力というのは、豊かな植物「生態系」が作り上げる「生命力」である。
      


人間が作った「地力」・・・・・の欠陥

    人間が農業の作業で作る地力には、複雑に複合した植物生態系の「生命力」が欠落している。
   人間の科学は、複雑な自然を単離分解して、単純に解明することを行ってきた。
   
その一つに「植物必須元素」がある。
   
 16の元素があれば植物は生育し生きることが出来る。
    誠に単純明快。
    地球上の全ての植物が最低限生きられる必須元素は解明された。
    しかし、この16元素があれば・・・本当に植物は喜んで生きられるのかというと・・・そういうことではない。
    この元素のみで栽培すれば・・・自然の中の圃場では必ず「病害虫」にかかるからである。
    有機農法も同じである。
    有機窒素は最後は無機窒素の形態で吸収されるからである。
    有機物を施与すれば多様な微生物、糸状菌・・・が生息するようになるが、
    病害菌の80%以上が「糸状菌」である。
    有機農法は・・・自然を見ているようで・・・自生地の植物生態系から乖離した微生物を使用している。
    家畜の消化器官内に生息する嫌気性細菌を利用した「堆肥」。
    窒素を多く含んだところで生息している微生物の利用は、一時的に土壌を「肥沃」???にさせる。
    この「肥沃」と「豊かな生態系」とは・・・全然異なる微生物によって形成される。
    そういうことで、有機農法では、どう頑張っても「完全無農薬」栽培は出来ない。
    人間が安直に作った「肥沃」「地力」は、病害菌を大繁殖させる要素を含有していることを、病害菌は知っているからである。
    どんな作物も、新しい土地では無造作に作れる。
    しかし・・・3年、4年もすれば・・・だんだん栽培が難しくなる。産地は・・・移動する!
    現在のイチゴ主産地で、産地移動が緩慢なのは、太陽熱による殺菌と、50から70回の農薬である。
    しかし、耐性菌、更に高熱耐性菌がフザリュウム、炭疽病菌に生まれたら、日本のイチゴ産業は壊滅する!
    現在の技術では、この菌を根絶できないからである。
    これに対抗できるのは木材腐朽菌が作る「生態系」のみである。
    木材腐朽菌は2億8500万年の悠久の年月、地球の地表を植物が生き続ける環境に整えてきた。
    産地移動は・・・・圃場に「大地力」が無いから・・・作れなくなる。
    これを連作障害と農業では呼んでいるが、・・・・それなら屋久島の7000年の大王杉は・・・・なぜ???
    同じな所で僅か20㎝の土壌で7000年も生き続けられたのか????
    これが炭素循環の微生物と植物が作り上げた「植物生態系」の「大地力」である。
    炭素循環以外の微生物では、この「大地力」を作ることはできない。
    EM菌も、枯草菌も放線菌も、植物酵母、植物乳酸菌、光合成細菌も・・・作ることはできない。
    ましてや、水耕栽培には最初から「植物生態系」は削除されているから・・・論外である。
    水耕で作れる植物があったとしても、その水循環システムにわずかでも破たんが起これば、全てを失う。
    人間の設計に完全が無いからである。
    「原発」の怖さは・・・自然界にリスクを補完するものが無いからである。
    自然界が作った廃棄物なら微生物、木材腐朽菌が分解出来るが、原発が作った廃棄物は分解できないからである。
   これは、化学農薬も同じ。
   土壌に蓄積され続ける・・・・。
   人間が作る「地力」には、その力が無いからである。
    


    

    
自然の原生林を焼き畑、開墾して畑、田を造成する。
    この瞬間に、大自然が永年かかって作り上げてきた「木材腐朽菌」の、
    前記したような全ての「力」が消滅する。
    つまり「大地力」の全ての力が無くなった状態が畑(ハウス)、田、水耕栽培施設である。

    こういう土壌に作物を栽培して「収奪」を行う行為が「農業」である。
    これを数年行えば・・・土壌は疲弊して・・・収量は激減する。
    これを・・・・どうにか防ぐ手段として・・・家畜の排せつ物と有機物で堆肥を作り、
    これを土壌に投入すると、一時的に作物が育つことが観察され、
    現在の農業は、これで作物が育つ力を「地力」としている。

    こういう「地力」は、メッキがはがれるように、簡単に消失する。
    病害菌に対する抗菌力(木材腐朽菌がいないから)が無いから、有機栽培の土壌に、
    簡単に病害菌は侵入、生息、繁殖する。
    土壌に「浄化力」が無いから・・・老廃物、農薬が残存する。
    乾燥、多湿をホロ―するシステムが無いから、簡単に干害、多湿害、根腐れが起こる。
    悪環境の条件下では、光合成不足から大きく生育不良になる。
    連作障害が起こる。


人間が作った地力と、自然が作った「大地力」には、以上のように大きな差異、乖離があり、
これが「病害虫」が千載一隅の好機として大繁殖する原因である。
弱い作物にしているのは・・・人間の小細工の「地力」増進である。

イチゴの「石垣イチゴ」の培養土は、僅か半年しか維持できない「地力」である。
木材腐朽菌が行なっていることを、全て人間が・・・培養土交換ということで、
大地力を・・・真似しているに過ぎない。
しかし、100%真似できないから・・・病気が発生する。
こういう技術では・・・巨木は育てることが出来ないどころか、多年草植物も育てることが出来ない。
多年草植物のイチゴを・・・一年草にして・・・どうにか経営しているに過ぎない。
多年草アスパラガスの茎枯れ病も・・・まったく同じことで、病気を根絶できない。
「木材腐朽菌力」が・・・絶対王者菌が圃場に生息していないからからである。
大地力とは、木材腐朽菌力と言っても過言ではない!

しかし、世界の農業は、これまで、この木材腐朽菌を削除無視して、利用、使用しないで来た。
その結果、化学農薬依存の農業になった。


日本再生循環緑化研究所の木材腐朽菌発明で、
ようやく圃場に「大地力」を作ることが可能になった。
木材腐朽菌を使うことで「完全無農薬栽培」が可能になった。
大地力と地力の違い
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